第14回講談社ノンフィクション賞受賞 人々の熱き思いをのせてオグリキャップは走った…… 喝采と絶叫とセレモニーのアナウンスを背後に聞きながら、オグリキャップは辻本の手に引かれて地下道へ入っていく。……彼の上気した顔を眺めながら記憶を溯っていて、はっとした。……「実はこのところずっと、オグリキャップが負ける夢ばかり見とったんよ。そしたら本当に負けがつづいたやろ。正直まいった。それがな、つい何日か前に、オグリが勝った夢、見たんや。1着になる夢……」――【本文より抜粋】