山が傷つくとき、海もまた苦しむ。 黒姫の深い森とスペイン・ガリシア地方の青い海――行動する作家C.W.ニコルが、2つの美しい自然の中からすべての日本人におくる熱きメッセージ。 なぜ海のそばでなくて、山の中に住むのかと尋ねる人がいる。 海よりも山のほうが好きなのかと思うらしい。そうではないのだ。 私の心の中では、山と海とは分かちがたい存在になっている。 山と海は緊密に、また微妙に、しっかりと結びついている。 山が傷つくとき、山もまた苦しむのだ。――「あとがき」より――