近代日本最高の知性が語る美の真実と人生の妙味
日本を代表する最高の知性・小林秀雄が、戦後に残した歴史的対話12篇――。坂口安吾、正宗白鳥、青山二郎、大岡昇平、永井龍男、河上徹太郎、三島由紀夫、江藤淳、中村光夫、福田恆存、岩田豊雄、田中美知太郎の12名を相手に、文学、美術、作家の生き方等、多彩なテーマを自由闊達に語り合い、人生の妙味と真実に迫る感銘深い1巻。格調高い精神のドラマが交響する第一級の文学史的資料。
小林秀雄
美術や音楽は、僕に文学的な余りに文学的な考えの誤りを教えてくれるだけなのだ。妙な言い方だがね。文学というものは文学者が普通考えているより、実は遥かに文学的なものではない。僕はそういう考えを持つに至った。この考え方は文学的ではないか。せいぜいそんな考えに達するのに高い価を払ったものさ。考えてみれば妙な世界だよ。――<「伝統と反逆」より>
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