永遠なるアヴァン・ギャルド
戦前の新詩運動のなかで生み出された画期的な処女詩論「超現実主義詩論」から、晩年の詩的自伝ともいえる随想「ボードレールと私」まで、ボードレールの与えた影響とその変容を軸に、代表的詩論4篇を精選。詩的言語により経験生活を超克し、芸術のための芸術を追究してきた、偉大なる学殖詩人・西脇順三郎。そのアヴァン・ギャルドとしての革新的な試みの背景を理解するための貴重な1冊。
井上輝夫
ここに収められた4編の詩論は、日本近・現代文学が生み出したもっともスリリングな必読の詩論であり芸術論でもある。(中略)西脇の詩作品は普通に考える「詩らしさ」を破るような作法で書かれていて、伝統的詩歌や近代詩あるいは自然主義的な文芸に馴染んだ読者を驚かせる。(中略)それだけ西脇の詩作品が日本の近代文学の流れの中で画期的でアヴァン・ギャルド(前衛)としての革新性をもっていたことになる。(中略)こうした人の意表をつく西脇作品がどのような考えのもとに作られていたのかを理解しようとすると、ここに収録された4編の詩論を読むことは不可欠となる。――<「解説」より>
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