熊野補陀落寺の代々の住職には、61歳の11月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない。時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く9篇。
ホテル・クロニクルズ
青山 真治
蛇・愛の陰画
倉橋 由美子
悩ましき土地
吉行 淳之介,川村 二郎
エオンタ/自然の子供 金井美恵子自選短篇集
金井 美恵子
赤の他人の瓜二つ
磯崎 憲一郎
モンスターズ
山口 雅也
あじさしの洲・骨王
小川 国夫,富岡 幸一郎
てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書
黒川 博行
猫とあほんだら
町田 康
苺をつぶしながら
田辺 聖子
日の砦
黒井 千次
井伏鱒二・弥次郎兵衛・ななかまど
木山 捷平,岩阪 恵子