五十崎古郷、水原秋桜子に師事した若き日の想い出「古郷忌」、従軍中結核で死と向き合った日々を綴る「一冊の芭蕉全集」などを、想いの深い療養地の名で纏めた「清瀬村(抄)」。戦後焦土と化した江東を句集「雨覆」に詠んだ著者が、その後の東京の下町、葛飾・亀戸・深川等の生命力溢れる春夏秋冬を俳句と散文で鮮やかに描き出した風物詩「江東歳時記」。“昭和俳壇の俊才”石田波郷の瑞々しい随想集。