伝統的俳句を継承しつつも俳句の近代化を追求して人間探求派と称された『万緑』の著者による俳句評論集。蕪村の俳句の口語訳と解釈を中心にした「俳句編」では、〈新年の部〉〈春の部〉〈夏の部〉〈秋の部〉〈冬の部〉に分けて「蕪村を歴史的に価値づけている」俳句作品をほぼ採録。芭蕉の句とも対比させ、実作者の立場から鋭く独創的な蕪村論を展開。ほかに「俳諧編」「俳文編」「俳論編」など。