志賀直哉は文豪にふさわしい豊かな文学世界をつくりあげたが、私生活では人なつこく、遊びごとのトランプや麻雀を楽しんだという。本書で志賀門下の阿川弘之が、直哉と縁のあった40人を選んで交友録を編んだ。夏目漱石、内村鑑三、清水澄から始まり、「白樺」の同人の武者小路実篤、長与善郎など、画家の梅原龍三郎や、門下の瀧井孝作、尾崎一雄以下そのひろがりは1つの時代史ともなっている。