帝国劇場完成後、岡本綺堂ら近代劇の脚本家が輩出。無名の谷崎潤一郎は荷風の大讃辞を得、明治44年12月第1創作集「刺青」刊、一躍文壇に登場。漱石の「彼岸過迄」。晶川の死、小山内薫、泡鳴、秋江、牧水、夕暮、中里介山の動静。のちの漱石門下三羽烏鈴木三重吉、寺田寅彦、中勘助や小宮豊隆、和辻哲郎、阿部次郎等々。新思潮が競い咲く明治末年、多岐多様な文学ジャンルを担う若者たちの青春群像。