明治43年、漱石は『門』連載終了後、8月胃潰瘍の養生先修善寺で大吐血、危篤に陥った。詩・小説で苦闘した啄木は短歌に自由自在に自己を表現。渋川玄耳は「朝日歌壇」を復活させ、その啄木を選者とした。近松秋江『別れたる妻に送る手紙』連載。夕暮『収穫』、牧水『別離』、啄木『一握の砂』刊。明治44年1月18日「大逆事件」判決。24日刑執行。激動の社会と蘆花、露伴、白鳥、柳浪ら文壇人の去就に焦点。