19世紀末より今世紀にかけ戯曲、小説等多彩な作品を書いたホフマンスタールは、ユダヤ人、イタリヤ人、ドイツ人の混った血統と伝統の都ウィーンの文化に育まれた。 「チャンドス卿の手紙」は17世紀イギリスの貴族チャンドス卿が友人にあてた手紙という形式をとり、表現とその根底にある認識を追求した作品で、「アンドレアス」と並んで現代小説の出発点である。