昭和初期のモダニズム文学の旗手として一世を風靡しながら、突然文壇から消えた竜胆寺雄の代表作3篇。消費生活がアメリカ風に変化してゆく大都会の片隅でショーウインドーの飾り付けなどをしながら気儘に生きる若者たちを、淡いペーソスを交えて軽妙に描いた表題作、及び、文壇の派閥性を攻撃してその地位を失うきっかけとなった「M・子への遺書」を収録。