日本の敗戦を機に再びペンを執る自由を与えられた平林たい子が、留置所での凄絶な闘病生活の有様を、マグマが噴出するような勢いで書きつけた「こういう女」(第1回女流文学者賞受賞)「一人ゆく」「私は生きる」、プロレタリア作家としての地位を確立した初期代表作「施療室にて」の他、「うた日記」「野の歌」「鬼子母神」「人生実験」「人の命」を収録した。