魯迅を気にしないでは、生きることができない。そして、気にすればするほど、魯迅は私の内側で深さをましてくるのである。──「読者へ」──近代日本文化の根源的歪みを指摘し、批判し続けた著者の戦時下の名著『魯迅』に呼応する戦後の代表的魯迅研究。「伝記」「歴史的環境」「作品の展開」「魯迅精神について」の4部構成に、略年譜、参考文献を附す。