南蛮趣味の高まった大正13年、吉利支丹文化研究に先鞭をつけた『南蛮記』の姉妹編として刊行された『南蛮更紗』と、翌14年刊行の『南蛮広記』から、「雪のサンタマリヤ」「日本最古の銅版画」「南蛮寺の遺鐘」等16篇を収録した『新編 南蛮更紗』。語源研究にすぐれた業績を残し、自由闊達で豊かな学識を持つ「広辞苑」編者の吉利支丹追憶と異国趣味溢れる研究エッセイ。