『風たちぬ』の最終章「死のかげの谷」完結までの数年、軽井沢滞在等の中で祈り祈りに綴られたエッセイ集。浅間の高原の四季への想い。読書の日々。生涯にわたって最も深く影響をうけたリルケをめぐる「リルケ雑記」。療養しつつ清冽なリリシズム漂う作品を残した堀辰雄の死に立ち向う健康的で強靱な精神の持続が生んだ名品。