内容紹介
「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
目次
- 哀しき父
- 悪魔
- 雪おんな
- 雪おんな (二)
- 子をつれて
- 馬糞石
- 遊動円木
- 暗い部屋にて
- 蠢く者
- 椎の若葉
- 湖畔手記
- 死児を産む
- われと遊ぶ子
- 酔狂者の独白
- 忌明