田村俊子は、雑誌「青鞜」創刊号に耽美的な小説を書き官能的な資質と近代的自我の意識の間で揺れ動く、自立しようとする女の自画像を濃密、多彩な作品に残して数奇な遍歴の果て戦時下中国・上海の陋巷で客死した。その先駆的な生涯、作品共に再評価高まる女性作家の表題作と「生血」「女作者」「彼女の生活」「山道」等の代表作9篇を以って編成。新しい田村俊子像の再誕。