詩人として出発し、小説、評論、翻訳等、広汎な活動のうちに、常に時代を先駆し、唱導した著者の文壇的出世作『街と村』。“郷土小樽”という現実の場所と青春時代の過去と幻想を交錯させ、人間の意識の底に息づく根源的なものを描く、“自伝”的小説『街と村』(「幽鬼の街」「幽鬼の村」)へ発展する『生物祭』『イカルス失墜』『浪の響のなかで』等、青春のリリシズム溢れる初期代表作6篇。