日本に妻を置いたまま巴里に在住する主人公の“幻の女”をめぐって繰りひろげられる女たちの華麗な手練手管の世界「巴里祭」。幼なくして許婚者同士となった男女が、その因縁のしがらみを果敢にといて行く“河”をめぐる美事な“物語”世界「河明り」。芥川龍之介の晩年を描き、出世作となった「鶴は病みき」の3篇を収録。