平穏な日常のありふれた出来事。その空間で交錯する家族の心……窓の硝子越しに見えるオーバーの影絵。魂の抜けたぬけがらの自分。精神を畏縮させる危うさが、深く妖しく映し出される。表題作「硝子障子のシルエット」ほか珠玉の30篇を収める葉篇小説集。毎日出版文化賞受賞。