「人間は互に不可解の孤立に過ぎない」──。矯激な個人主義に徹した“近代人”永井荷風。文献の博渉、尖鋭な地誌的考察を踏まえた斬新な手法。“磯田美学”をみずから乗り越えた著者の最高の達成。第1回サントリー学芸賞受賞の名著。