小学校3年生の野花(のか)は、とびばこが大の苦手。今日も体育の授業があるので朝からとてもゆううつです。学校に行く途中、公園をゆっくり歩いていると、すごい勢いで走ってくる女の人にぶつかった 教育実習で来ている、みちる先生だ。 体育の授業をなんとか終え、学校からの帰り道、公園のシロツメクサで首飾りを作っていると、またみちる先生に会った。先生、ソフトボールの選手なんだって……。 とびばこが跳べない野花と、授業がうまくできないみちる先生の交情を、さわやかに描いた小学中級以上向けのものがたりです。
升井 純子北海道生まれ。児童文学作家。北海道教育大学卒業後、小学校教諭などを務める。『爪の中の魚』で第1回ぶんけい創作児童文学賞佳作受賞。『空打ちブルース』で第51回講談社児童文学賞新人賞受賞。その他の作品に『シャインロード』『行ってきまぁす!』(ともに講談社)などがある。日本児童文学者協会、まほうのえんぴつ、季節風会員。
おくはらゆめ兵庫県生まれ。絵本作家。辻学園日本調理師専門学校卒業。2008年『ワニばあちゃん』(理論社)でデビュー。『くさをはむ』(講談社)で第41回講談社出版文化賞絵本賞受賞。『シルクハットぞくはよなかのいちじにやってくる』(童心社)で第18回日本絵本賞受賞。おもな作品に、『バケミちゃん』(講談社)『くろいながい』(あかね書房)など。