〈みなさんへ〉
フランスのTGV、ドイツのICE、そして日本の「のぞみ」。これらは各国を代表する超高速列車で、最高250~300km/hのスピードでお客さんをのせて走ります。これらの車両たちは、すこし小型につくられています。これは車体を軽くしてなお安定性をまし、空気抵抗をへらすためです。また、このことは騒音をへらす効果もあります。車両の断面を小さくすると、高速運転のとき空気をひきさく音が小さくなるのです。
しかし音に関しては、日本はハンディがあるようです。とくに東海道ベルト地帯では、鉄道のそばに家がとぎれることなくつづくので、スピードアップにも限界があります。その点、ヨーロッパは住宅地とはしっかり区別されているので、気がねなくスピードがだせるのです。スピードについてもそうですが、じつはほんとうにめぐまれているなあと思うのは、自然にかこまれた人々の生活です。幼いときから自然に親しんでくらしている彼らにとっては、日本ではまねごとのようなアウトドアライフも、生活の一部です。これは理想的な環境だと思うのです。──広田尚敬
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