愛し、なかまをおもいやり、いたわりあうチンパンジーの心あたたまる10のお話
ある日、わたしたちは、ながれのはやい川べりにフローがよこたわっているのをみつけました。フリントは岸にすわり、じっとかのじょをみおろしています。ときどき、はいおりていっては、フローをのぞきこみました。「目をさまして、毛づくろいをして。」とでもいうように、フローのつめたくなった手をひっぱっていました。それから、心のやりどころがなくなって、岸にのぼり、あわれにちぢこまって、ひとりさみしくお母さんのなきがらをみおろしているのでした。その夜、フリントは、ついこのあいだまでねていたベッドへ、ひとりゆっくりのぼっていきました。──本文より
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