ジャズの小曲のタイトルそのままに泣きを見る人生なんて、自分はイヤと言い放つ女。男も音楽も好きなように、好きなだけ渡り歩く人生を貫いて見せた女を描く表題作ほか、10年にわたって書き綴った味わい深い短編集。男を、女を、柔和な眼差しで包みながら人生の混沌を描く作家が遺してくれた最後の贈りもの。