もの思(も)えば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂(たま)かとぞ見る――恋人がくれた“和泉式部集”の中のこの歌は、葉留子(はるこ)にとっても彼にとっても大切な歌。彼は葉留子を蛍のような女だという。札幌・薄野(ススキノ)の「ロンリー・ボート」で知り合った男と女。恋に悩み、愛に生きるワーキングガールたちの夜のオアシス物語。