日本中を笑いの渦に巻きこんだ喜劇王の素顔を克明に追う。浅草オペラの華(はな)を咲かせ、あの“洒落男(しゃれおとこ)”を唄い、そして孫悟空で舞台に映画に大活躍したエノケン。短身・塩辛声(しおからごえ)が奇妙に調和したアチャラカ喜劇の魅力は何か。貴重な写真資料と関係者の証言を駆使して、表面からは窺(うかが)いしれなかった生涯を明かす。