苦沙弥先生ならぬ遅筆の小説家・広岡達三氏が、おとぼけのお手伝いさんやドジな編集者と繰りひろげる、てんやわんやのヒューマン・コメディ。原稿用紙も破いては捨て、なかなか仕上らぬ末に……。これには漱石先生も、あいた口がふさがりますまい。でも憎めない主人公の人柄に愛の拍手を!