室町期に西日本きっての勢力を誇る守護大名・大内氏の31代当主・義隆は、とりわけ貴族趣味が強く、武力強化よりも京都文化の摂取に熱中する。山口を京都の街並みに模し、自ら公卿を真似、文化人を招いては宴を催した。その結果、家臣間に亀裂を生み、やがては救いがたい破滅への道をたどることになるが……。大名よりも公卿になりたがった大内氏の、栄光と失墜を鮮烈に活写する、歴史長編。大内義隆の哀しく数奇な生涯、哀切のロマン!