高校のクラスメイトだった、女流作曲家・晃子の奇妙な死。その死にざまを聞かされたとき、僕は高校卒業を間近かにした節分の夜を回想していた。男女合わせて6人の演劇部仲間で、鬼会の放埓な儀式を遊びに選んだのだ。あの夜、晃子を裸かにして……。土俗的題材を、独特の美学で幻想世界に昇華させた、著者ならではの秀作集。鬼が出現した青春の一夜の妖しい美ーー鬼面をつけて戯れたあの夜の思い出が、女流作曲家の死に重なる!
倒錯の性,放縦の性を妖しく描く7編を収録高校時代の恋人が作曲した現代音楽に偶然触れた僕は二ヵ月後彼女が裸体で怪死したことを知り,高校卒業直前の一夜との符号を感じる.独得の妖美世界を描く秀作集
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