論語物語

講談社学術文庫
ロンゴモノガタリ
  • 電子あり
論語物語
自分メモ
気になった本やコミックの情報を自分に送れます

内容紹介

このうえなくわかりやすい言葉で、『論語』のエッセンスを読める!
孔子が伝えたかったことは、こんなことだった。

『次郎物語』で名高い作家にして教育思想家であった下村湖人が、
人生をかけて読んだ『論語』を、そこに残された言葉をもとに、ひとつの物語として書き紡いだ。
ページをひらけば、孔子や弟子たちが直接語りかけてくる!


【本書より―永杉喜輔「まえがき」】
湖人は生涯をかけて『論語』に学んだ。二千年以上も経た『論語』の章句を自由自在に使って、『論語』で養われた自分の思想を物語に構成したものが本書で、『論語』の精神を後世に伝えたい一念が結晶している。孔子と弟子たちが古い衣をぬぎすて、現代に躍り出す。その光景がみずみずしい現代語でたんねんに描かれている。

【本書より―「序文」】
 論語は「天の書」であると共に「地の書」である。孔子は一生こつこつと地上を歩きながら、天の言葉を語るようになった人である。天の言葉は語ったが、彼には神秘もなければ、奇蹟もなかった。いわば、地の声をもって天の言葉を語った人なのである。
 彼の門人達も、彼にならって天の言葉を語ろうとした。しかし彼等の多くは結局地の言葉しか語ることが出来なかった。中には天の響を以て地の言葉を語ろうとする虚偽をすら敢てする者があった。そこに彼等の弱さがある。そしてこの弱さは、人間が共通に持つ弱さである。吾々は孔子の天の言葉によって教えられると共に、彼等の地の言葉によって反省させられるところが非常に多い。
 こうした論語の中の言葉を、読過の際の感激にまかせて、それぞれに小さな物語に仕立てて見たいというのが本書の意図である。無論、孔子の天の言葉の持つ意味を、誤りなく伝えることは、地臭の強い私にとっては不可能である。しかし、門人達の言葉を掘りかえして、そこに私自身の弱さや醜さを見出すことは、必ずしも不可能ではなかろうと思う。
 この物語において、孔子の門人達は二千数百年前の中国人としてよりも、吾々の周囲にざらに見出しうる普通の人間として描かれている。そのために、史上の人物としての彼等の性格は、ひどく歪められ、傷けられていることであろう。この点、私は過去の求道者達に対して、深く深くおわびをしなければならない。
 しかし、論語が歴史でなくて、心の書であり、人類の胸に、時処を超越して生かさるべきものであるならば、吾々が、それを現代人の意識を以て読み、現代人の心理を以て解剖し、そして吾々自身の姿をその中に見出そうと努めることは、必ずしも論語そのものに対する冒涜ではなかろうと信ずる。

目次

  • 1 序文
  • 2 富める子貢
  • 3 瑚れん
  • 4 伯牛疾(はくぎゅうやまい)あり
  • 5 志をいう
  • 6 子路の舌
  • 7 自らを限る者
  • 8 宰予(さいよ)の昼寝
  • 9 觚、觚ならず
  • 10 申とうの欲
  • 11 大廟に入りて
  • 12 豚を贈られた孔子
  • 13 孝を問う
  • 14 楽長と孔子の目
  • 15 犂牛(りぎゅう)の子
  • 16 異聞を探る
  • 17 天の木鐸(ぼくたく)
  • 18 磬を撃つ孔子
  • 19 竈(そう)に媚びよ
  • 20 匡の変
  • 21 司馬牛の悩み
  • 22 孔子と葉公(しょうこう)
  • 23 渡し場
  • 24 陳蔡の野
  • 25 病める孔子と子路
  • 26 一以(いつも)って貫く
  • 27 行蔵の弁
  • 28 永遠に流るるもの
  • 29 泰山に立ちて
  • 30 人生の案内者 下村湖人

製品情報

製品名 論語物語
著者名 著:下村 湖人
発売日 1981年04月08日
価格 定価 : 本体1,150円(税別)
ISBN 978-4-06-158493-8
通巻番号 493
判型 A6
ページ数 300ページ
シリーズ 講談社学術文庫

著者紹介

著:下村 湖人(シモムラ コジン)

1884年佐賀県生まれ。作家、社会教育家。本名虎六郎。東京帝国大学文学部卒。大学時代には「帝国文学」の編集委員として文学評論に活躍。のち台北高等学校校長となったが、1931年教職を辞して上京、大日本青年団講習所長として青少年教育に従事。1937年ごろからは文筆と講演の生活に専念した。1955年没。主著に『次郎物語』『教育的反省』ほか多数。

書店在庫を見る

オンライン書店で見る