全くの初心者の人に向けて、ゼロからていねいに解説。超わかりやすいと大評判の准教授が送る渾身の一冊。大学生、電験受験者に最適!
本書「まえがき」より
「電気は理詰め」。私がいつも生徒に言う言葉です。例えば、抵抗は1Ωのものもあれば、1MΩ(いちメガオーム=百万オーム)のものもあります。見かけは同じですが、とてつもない差です。もし1000Ωの抵抗が必要な場所に500Ωの抵抗をつないだら、回路はうまく動かないでしょう。1Ωの抵抗をつないだら、回路が壊れるとか煙が出て焼けるとか相当嫌なことが起こるでしょう。電気回路は「とりあえず、適当な値のものをつないでみる」では動きません。理論に基づいた計算が必要です。
本書は電子工作に必要な理論の基礎を、この一冊で全て学べるようにした本です。内容を精選し、選んだ項目については、考え方が理解できるように記述しました。また難易度が徐々に上がるよう、項目を配列しました。以下のような読者や用途を想定しています。
●工学部電気系学生のための入門用教科書(あるいは補助教科書)
●それ以外の理系の学生のための教科書
●趣味で電子工作を楽しむ人のための独習書
本書の特長は、図と数式をたくさん用いて、分かりやすく説明していることです。数式の変形においては、できるだけ途中経過を省略しないように記述し、場合によっては小さな文字でコメントを式の傍に記しました。
また、電気回路学習の最大の難関である「複素記号法」については、特に詳しく説明しました。
工学部の電気系学科においては「電気回路」と「電子回路」は別の科目として扱われ、教科書も別になっています。アナログ電子回路の設計には、どちらも必要な理論なので、一人の著者が一貫性をもって記述した本が望ましいと言えましょう。
本書は電気回路と電子回路のエッセンスを一冊にまとめました。
1~4章が電気回路、5~7章が電子回路に対応します。
本書では読者の理解を助けるため、多くの図において、たぬきがワンポイントの説明をします。
著者によるおまけページは → http://denki.nara-edu.ac.jp/~yabu/denki/omake.html
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