臨機応変、うその効用、偽装工作、うわさの心理学、敗北の美学……
賢者たちの知恵を現代に活かせ!
動乱の時代を生き抜いた賢者の知恵が満載!孔子、孟子、列子、荘子、韓非子らが残した教訓を21世紀の視点で読み直す。
●寓言にこめられた中国人の知恵
目的と手段/まわり道
失うから手に入る/こだわりの哲学
●臨機応変の策……抵抗か服従か/本物は誰だ
●うその効用……恋に落ちて/陰謀の喜び
●やさしさの裏側……法のきびしさ/敵がいるほど強くなる
●ことばの魔術……説得の技法/うわさの心理学
●読心術いろいろ……秘密/動機/おとり
●敗北の美学……醜いものの価値/理想の追求
●死へのまなざし……生まれる前と同じ/滅びの意志
寓言にこめられた中国人の知恵――戦争で50歩逃げた兵士が、100歩逃げた兵士を笑ったという「五十歩百歩」の話は、『孟子』梁恵王章句上に見えるもので、孟子が、生活の安定と学校教育のたいせつさを説くために用いた寓言である。うさぎが切り株にぶつかって死んだのを見た農夫が、仕事をやめて、切り株を見張ってうさぎがかかるのを待ったという「守株」の話は、『韓非子』五蠧第49に見えるもので、韓非子が、古代の聖王のやり方で現代の人民を統治する愚かさを指摘するために用いた寓言である。ほかにも、「朝三暮四」「蛇足」「矛盾」など、寓言から多くの成語が生まれている。中国の寓言の中には、現代の私たちから見ても教訓となる話が非常に多い。本書の目的は、春秋戦国期の諸子百家をはじめとして、中国古代の書物に見られる寓言を取り上げ、さまざなな視点から解釈し、現代に生きる知恵を探ることにある。――(本書より)
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