初の韓国人Jリーガーの目に、日韓両国のサッカーはどう映ったか。
開拓者として、国際人としてプレーし続ける現役MFが語りつくす。
まえがき――私が日本に来て、早いもので9年が過ぎようとしている。この間に、日本のサッカーは驚異的なレベルアップを遂げ、プロリーグもすっかり日常と化した。Jリーグの成功は日本サッカー全体の発展をも促した。
私は“外国人選手”のひとりとして、そうしたサッカーを取り巻く日本の変化を見てきた。私自身しか体験し得ない事柄もいくつか経験することができた。
いうまでもなく、日本と韓国の間には、長い歴史のなかで形成されてきた独特の感情が存在する。今でも韓国では、日本の風俗文化に関する情報を100パーセント自由に享受することはできないし、根強い反日感情も存在している。
しかし、少なくとも私にとっては、どちらも故郷である。友人がいて、思い出がある。そして、これは決して思い上がりではなく、私が個人的に体験してきたことが日本と韓国というふたつの国のサッカーにいくらかの影響をおよぼしたであろうことも自覚している。――(本書より)
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