始皇帝陵の側近から今世紀最大の考古学上の大発見となった“兵馬俑”の大地下軍団が発掘された。2000年の眠りがら覚めた遺物群が、語りかけるものは何か。歴史の闇に閉ざされた始皇帝と秦王朝の、真実の姿に迫る。
謎を解く鍵――4000年以上にわたる中国の王朝歴史のなかで、彗星のように現れて、初めて全国を統一した大秦帝国は、戦乱などが原因で、文字の記録や物的資料をあまり残していない。その上、続く波瀾万丈の歴史の流れのなかで、秦代の真実の姿はますます濃い霧のかなたに隠れていった。それだけに、兵馬俑、銅車馬、馬きゅう坑、珍種動物坑などの発見と発掘、および始皇帝陵地下宮に対する調査は、この歴史研究の空白を埋め、中華民族の発展史における「失われた環(ミッシング・リンク」をふたたびつなげたといえる。――本書より
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