ホームズの推理がさえる短編4話
消えた帆船グロリア=スコット号。大西洋の海原に、船とともに沈んだはずの秘密が、ある日よみがえる。それを知らせる暗号で書かれた謎の手紙。
イギリスからオーストラリアに送る囚人38人を乗せた帆船の中でおきた大暴動。囚人の1人は九死に一生を得て、成功者としてイギリスにもどることができた。しかしある日、「脅迫者」がやってきて……。まだ大学生だったホームズが、この帆船の秘密をさぐりだして、探偵を職業とすることになった記念すべき作品。
シリーズ第7弾です。今回は4つの事件を紹介しましょう。
第1話「囚人船の秘密」は、原題を「グロリア=スコット号」といいます。この帆船でおきた悲惨な事件の影をひきずるトレバー老人。まだ大学生だったホームズは、ふとしたことでこの老人と会いますが、ホームズは得意の推理で老人の暗い過去をずはりと、いい当てます。すっかり感動したトレバー老人はホームズに探偵を一生の仕事にするようにすすめ、名探偵誕生にのきっかけとなりました。
第2話の「ライゲートの大地主」は筆跡が事件の鍵を握ります。
第3話「株式仲買人」の事件は失業中の青年にころがりこんできた“うまい話”。だが、その裏にしかけられた意外なからくりとは?
第4話「背中の曲がった男」は、愛と友情と裏切りがからみます。
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