雪国K町の高校を3番で卒業しながら、大学にも進学せず、会社にも就職しないで、お手伝いさんを志望した多喜子。そんな彼女は、「新二郎さん、私のここに接吻してもいいわ」と言って、自分の唇をとんがらせた。若い白い丈夫な歯と歯がぶつかり合ってカチカチと音がした……。平凡な幸せを願う2人の夢は大きくふくらんで……。傑作青春小説、全2巻・完結編。