人生80年時代にふさわしい「性」を考える おおよそ子どもを1、2人しか産まない今日の女性は、80年の生涯の中で、生殖にたずさわっている期間はわずか4、5年にしか過ぎない。それにもかかわらずわが国では、長い間、性に関する医学研究は、せいぜい、生殖現象としてのセックスや特別の性障害についてのみ行われ、情動行動として、あるいは快楽としてのセックスといった研究は、まったく行われていなかったのである。そこで本書では、生涯を通じて、科学的に性をとらえ、現代にふさわしいそのあり方を探る。