「異郷人」の自覚は、すでに彼には親しいものだった。父の転勤のたびに繰り返した転校、いつも身近にあった戦争の翳、渾沌としたそれらの日々に訪れた、人生への早い目覚めがうながしたものは……。原点としての幼少年時代とその心の領域の移りゆきを、よく醒めた文体で感銘ふかく描きつくす好短篇集。5篇を収録。
拳銃と十五の短篇
三浦 哲郎,川西 政明
素数とバレーボール
平岡 陽明
ロミオとジュリエットと三人の魔女
門井 慶喜
コンクールシェフ!
五十嵐 貴久
死んだ石井の大群
金子 玲介
星からの1通話
黒井 千次,吉行 和子,阿部 慎蔵
妻の温泉
石川 桂郎
未明の闘争(下)
保坂 和志
自分の羽根
庄野 潤三,高橋 英夫
毎日世界が生きづらい
宮西 真冬
忍者に結婚は難しい
横関 大
死んだ山田と教室