遠い、北の町の盛り場で、ステージに立ち、酔客相手に裸身をさらす、踊り子ひとり。地方のクラブやキャバレーをまわる、ヌード・ダンサーの夕雨子だ。踊り子だった母が、呉服屋の息子と恋をして、生んだ娘。彼女がどんな哀しみにみちた過去を抱いているのか、客はだれも気にしない。しょせん彼女は流浪の芸人であり、風でしかないのだ。そして月日が残酷に移ろってゆく。けなげな踊り子の人生哀歓を、美しい抒情性とリリシズムあふれる澄明な筆致で綴った、連作小説集。
随筆集 下駄の音
三浦 哲郎
背く子
大道 珠貴
荒魂
石川 淳,立石 伯
地上生活者 第1部 北方からきた愚者
李 恢成
彼女の部屋
藤野 千夜
裂
花村 萬月
春情蛸の足
田辺 聖子
赤の他人の瓜二つ
磯崎 憲一郎
うたかた
源氏たまゆら
田辺 聖子,岡田 嘉夫
おかあさん疲れたよ(下)
戦場の博物誌 開高健短篇集
開高 健