生命の究極をのぞきみる ここ数年間に進歩した遺伝子科学は、私たちの思想に重要な問いかけをはじめているし、遺伝子操作技術も、人間の生活を少なからず変更させる可能性を秘めている。このような時期にあって、私たちは遺伝子科学の功罪を冷静に判断し、その進路を考えていかなければならなくなった。感覚的ないしは感情的な評価をさけるためには、どうしても分子遺伝学の原理そのものを理解しておく必要がある。そのための基礎情報を提供するのが本書である。(はじめにより)