エントロピー的な力とは何か? 気体を箱に入れると、箱のカベに中から圧力がかかる。分子的な立場からいうと、気体がひろがろうひろがろうとするのは、分子がはげしく走りまわっていて、スキさえあれば遠くへ遠くへ脱出しようとするからである。ところが一方、気体がひろがろうとすることと、そのエントロピーを大きくしようとすることとは同じことなのだから、つまりはエントロピーをふやそうとする傾向が圧力となってあらわれる、といってよいことになるわけだ。(本書5章より)