「将軍家病篤し」の報に、紀州大納言は今や藩を挙げて命運を賭すべく、魔界より甦った怪異の剣士を供に江戸へ向った。この天下覆滅の大陰謀に立ちはだかる柳生十兵衛! その秘剣をかざして天草四郎と対決するが、父但馬守が魔人として敵中に在ることを知り、彼の心は悩乱する。が、――魔剣士を操る森宗意軒の大陰謀は大詰に達し、遂に対決の時いたる! 月明暗き柳生谷で柳生但馬守と、伊賀は上野鍵屋ノ辻で荒木又右衛門と、波蒼き伊勢の船島で宮本武蔵と。――隻眼まなじりを決し、孤剣を抱いて馳せ向う柳生十兵衛! 壮絶無比の大死闘はいよいよ最高潮に。全3巻、完結編。
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