トレーダーの兄・手代木譲は、因縁の相手・熊谷の罠にはまり、手持ち資産の過半を失った。 いっぽう、兄が過去に犯した罪を知り、法律家の道を志すようになった主人公・菊宮優吾は、法科大学院の受験勉強に励んでいた。 季節は移ろい、優吾の進路上には、京都を離れるという選択肢が浮かびはじめる。 そして、手痛い敗戦に沈んでいた手代木も、優吾の友人たちの助力を得て、熊谷への逆襲を試みようとしていた……。 人生に一度だけ訪れる特別な季節を描いた、露のように儚く美しい京都青春譚、これにて終幕――。
江古田在住の黒い人。本作が小説デビュー作となる。
イラストレーター。確かな画力と情感ある筆致が魅力の、新鋭イラストレーター。