北の街で暮らす高校生・乾真冬。 入学当初に友達作りに失敗し、灰色の学校生活を送っていた真冬だが、押しの強い先輩・押領司姫香に無理矢理入部させられた放送部で、同じように強制的に入部させられた同級生・由切園と出会う。 たどたどしくも、次第に距離を詰めていく二人。しかし、ある夜、由切は謎めいた言葉を残して真冬の前からこつ然と姿を消してしまう……。 彼女はどこに消えてしまったのか? その姿を追い求め、真冬は異郷の地に旅立つ──。 無限の世界を彷徨うすべての人に贈る、哀切の青春譚。
作家。北海道大学文学部卒。『純潔ブルースプリング』で第7回角川学園小説大賞・特別賞を受賞。主著に『薔薇のマリア』シリーズ、「第九高校」シリーズなどがある。
イラストレーター。怪しく美しい筆致で、独特の世界を現出する。