「奇跡は起こるよ」 夜空を見上げると一面の花。地面には屍体の山。未来永劫変わらぬはずだった空に突如咲いた、色とりどりの“花”。その花から地上に舞い降りた花粉は、人々を殺戮へと駆り立てたが、死に尽くさなかった人びとは、それでも日々を生き続けた……。彼らがふたたび“星の海”を見ることができる世界は、いつ訪れるのか? あの3.11を生き抜いてしまった僕らのために佐藤友哉が描く、“空が消えた世界”の千年紀。