内容紹介
''錯覚,,と苦闘する、日本近代文学の一〇〇年史
いったい、日本の文学とは何なのでしょう? 本書の出発点は、そんな素朴な疑問にあります。明治以来一〇〇年以上に及ぶ歴史がありながら、具体的で納得できる「文学」の定義はどこを探しても見つかりませんし、権威ある文学賞の授賞基準もいまだに一定しないようです。なぜ、日本の文学はこんなふうになってしまったのでしょう? 実は、その原因は「文学は現実を描ける」「文学は人間を描ける」といった、いくつもの“錯覚”にあるのです。本書では、それらの錯覚がどのように生まれたのか、各時代の史料から確認しつつ、日本近代文学史を記述していきます。さあ、ともに教科書では語られない、秘められた文学史をさぐる旅に出ましょう!
目次
- 序 章 そもそも何が文学なのか?
- 第一章 1979年の村上春樹
- 第二章 文学は人の心を描けない
- 第三章 メディアが作家と文学を作る
- 第四章 文学のジャンル化
- 第五章 純文学など存在しない
- 第六章 文学史が作られていく
- 第七章 錯覚は露見する
- 第八章 文学とは錯覚にすぎない
- 終 章 ある錯覚の未来について
- あとがき
製品情報
製品名 | 文学の読み方 |
---|---|
著者名 | 著:さやわか |
発売日 | 2016年09月22日 |
価格 | 定価 : 本体880円(税別) |
ISBN | 978-4-06-138600-6 |
通巻番号 | 94 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 256ページ |
シリーズ | 星海社新書 |