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オペラ座

時はルネサンス。君主翼賛の祝祭を種に、古代憧憬を養分に肥大する宮廷の文化装置。失われた牧歌風景(アルカディア)を求め、冥界=洞窟(グロッタ)をも抱え込む迷宮の舞台……。下って19世紀、巨大オペラ座=「メロドラマの殿堂」をへて、孤独な「電気城」へと到達する。ヨーロッパの過剰なる観念が跳梁する官能の劇場……。それがオペラ座。

【目次】
1 パリ・オペラ座に棲む怪人――メロドラマの殿堂
2 牧歌への憧憬――よみがえる古代ギリシア
3 跳梁する運命の女神――ルネサンスの寓意像
4 古代牧歌の戦士――模擬戦としてのカルチョ
5 冥界のオルフェウス――洞窟と豊饒の音楽
6 脳髄の劇場――電気牧歌の世紀末