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明末のはぐれ知識人

史上最高最難関の試験・科挙にいどみ、健闘むなしく「はぐれた」受験生たち。家庭教師、塾講師、代筆屋、私設秘書、編集者。試験のあいまの副業が、明末の文化にあらたな展開をもたらした。白話小説の成立、庶民の発見、そして出版の隆盛……。一知識人の生涯をとおして見つめる、中国社会の一大転機。

【目次】
はじめに
第一章 経済と文化の都
1 蘇州の調べ
2 銀と新安商人
3 文人たちの街
第二章 すべては科挙へ通ず
1 夢と龍
2 状元への道
3 立ち並ぶ狭き門
4 傾向と対策・明代版
第三章 酒とバラの日々
1 遊び人
2 歌曲の発信基地
3 妓女のまこと
第四章 文学と大転換
1 白話小説の隆盛
2 『水滸伝』と『金瓶梅』
3 「真」の探求
4 「庶民」の発見
5 勧善懲悪の構図
第五章 自活の道
1 館師
2 新たなる自己実現
3 大編集者
第六章 晩年の霹靂
1 ついに官につく
2 祁豹佳と馮夢龍
3 鶯花のうたげ
参考文献
馮夢龍著作目録
図版出典
あとがき
索引